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汚染砕石・コンクリ問題。製造物責任や瑕疵担保責任で法的責任の追及が可能か [建物・土地]


福島の原発事故のため計画的避難区域に指定されている浪江町の砕石場でとれた石。この石を原材料に製造された生コンクリートなどが少なくとも200社余りの建設会社に販売され、住宅や道路建設などに使用されていることが判明した。そのうち、福島県二本松市では昨年7月に新築されたマンション1階の室内から高い放射線量が計測されたが、これはマンションの土台に浪江町の砕石が使われていたことが原因であるという。

国と福島県は、放射性物質が付着した可能性のある砕石が生コンクリート製造業者などを通して広く流通しているとみている。もしそうであれば、汚染された砕石や生コンクリートを製造した業者や、これを使用して住宅や道路などを建造した建設業者には、どのような法的責任が生じるであろうか。

まず、汚染された砕石や生コンクリートを製造した業者には、製造物に欠陥があった場合に生じる「製造物責任」が考えられる(製造物責任法3条)。ここで問題は、砕石や生コンクリートに「欠陥」があったといえるかどうかである。砕石や生コンクリートが通常有すべき安全性を欠いていれば欠陥といえるが、製造当時、石に関する放射線量の安全基準がなかった。そこで、検出された放射線量がどの程度であるかによって欠陥の有無の判断が分かれるであろう。

次に、汚染された砕石や生コンクリートなどを使用して住宅や道路を建造した建設業者には、建造物に瑕疵があった場合に生じる「請負人の瑕疵担保責任」が考えられる(民法634条、住宅品質確保促進法94条)。また、このような瑕疵のある新築住宅を販売した業者も同様に「売主の瑕疵担保責任」を負いうる(住宅品質確保促進法95条)。しかし、ここでも問題は、住宅や道路などの建造物に「瑕疵」があったかどうかである。瑕疵とは欠陥のことであるから、上記の製造物責任と同様の問題が生じるのである。

結局、製造物責任でも瑕疵担保責任でも、放射線量がどの程度であるかによって責任追及が可能かどうか、結論が分かれる。上記の二本松市のマンションの事例では、1時間当たり最大で1.24マイクロシーベルトの放射線が検出された。仮にこのマンションの室内に24時間滞在すると、年間の線量は10ミリシーベルト前後に達する計算となる。断定はできないものの、この数字を見る限り、少なくとも住宅に使用される砕石やコンクリートの場合には通常有すべき安全性を欠いているというべきではなかろうか。

法的責任が認められるかどうかの判断には時間がかかる。こうしている間も住民の不安は募っている。業者に対する法的責任はさておき、早急に国や自治体は災害援助法などを活用して支援すべきである。

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